2021年03月09日 Vol 384

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

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北太平洋漁業委員会(NPFC)第6回年次会合の結果について

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さる2月23日から25日まで、北太平洋漁業委員会(NPFC)第6回年次会合が開催されました
(コロナウィルス感染症蔓延の影響によりウェブ開催)。
NPFCは、北太平洋公海における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保等を目的と
する地域漁業管理機関で、サンマ、サバ類、クサカリツボダイ等を管理の対象としています
(マグロ類、サケ・マスなど他の条約の対象資源は対象外)。
今回の会合には、NPFCに加盟している全ての国・地域(日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、
台湾、米国及びバヌアツ)が参加しました。

(1)サンマの資源管理措置
我が国は2017年からNPFC条約水域(公海域)でのサンマの漁獲数量規制の導入の提案を
行ってきました。2018年までのNPFC年次会合では、科学的知見の不足等を理由とした反対意見があり、
漁獲数量規制の導入は見送られていましたが、2019年4月のNPFCにおけるNPFC科学委員会で
初めて加盟国・地域で一致したサンマの資源評価結果を得たこともあり、同年の第5回
年次会合において、2020年のNPFC条約水域(公海)での漁獲割当量(TAC)を33万トンに制限
(分布域全体の漁獲量が55万6,250トンを超えないこと)等の資源管理措置に合意しました。
今回の第6回年次会合では、近年のサンマの不漁を受け、我が国はTACの縮減等を提案し、
新たに以下を主な内容とする措置に合意しました。
・2021年及び2022年のNPFC条約水域(公海)でのTACを19万8千トン
(現行TACから40%削減)に制限(分布域全体の漁獲量が33万3,750トンを超えないこと
としたため、日ロ200海里水域では、13万5,250トンまでの漁獲が可能)。
・各国は公海での漁獲量を各国の2018年の漁獲実績から40%削減。
・漁獲枠が資源の動向を反映し、より科学的に決定できるよう漁獲管理規則を策定し、2023年
からの適用を目指す。
(2)アカイカの資源管理措置
これまでNPFCの資源管理措置が導入されていなかったアカイカについて、許可隻数の増加抑制、
公海操業漁船へのVMS(衛星位置監視装置)の義務付け等の新たな資源管理措置が採択されました
(既存のマイワシ及びスルメイカの資源管理措置と同様)。
(3)底魚類の資源管理措置
深海サンゴ等の脆弱な生態系(VME)を保護するため、VME群集が確認された天皇海山
(2カ所)の海域におけるトロール漁具を用いた着底操業禁止の措置が採択されました。

 

 

(4)IUU(違法・無報告・無規制)漁船対策
IUU漁船リスト(昨年までに33隻の漁船が掲載)に、新たに3隻の漁船が追加されま

した(合計36隻)。

 水産庁国際課
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