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牛の鼻輪について

 牛を題材にした絵やイラストを見ると決まって描かれているのが牛の鼻についている「鼻輪」です。これって何の為に付けているのでしょう?

 現在農家で飼われている牛といえば、乳を搾るための乳牛か、或いは肉用牛に分けられます。でもトラクターなどの農業機械が農村に普及する昭和30年代頃までは、畑仕事や荷運びなどの力仕事に牛は欠かせない労働力だったのです。
 牛の鼻輪は、こうした農作業の際に牛にいう事を聞かせたり、爪切りや、病気の治療などの管理の際に体の大きな牛を扱いやすくするために大変役に立つ物でした。

 その鼻輪が牛の供養に使われる場所があります。岡山市内にあるその名も「はなぐり塚」では、全国から送られてくる牛の鼻輪を形見として祭っており、春秋二回、畜魂祭を行っているそうです。

 現在使われている鼻輪は、大量生産できるプラスチックや真ちゅう製のものがほとんどですが、以前は牛を飼う農家の人や職人が一つ一つ手作りしていました。
 材料は、カマツカと呼ばれるバラ科の植物で、堅くて粘り強いこの植物は、牛の鼻輪にうってつけだったようです。ちなみにこのカマツカはウシコロシともいい、鼻輪が「牛の行動を殺す」という意味で、こんな別名がついたといわれています。

 歴史をさかのぼれば、なんとメソポタミア文明の遺跡からも鼻輪をした牛の人形や鼻輪そのものが出土していますから、人と牛の歴史とともにある存在だったようです。
 でも最近では、農家一軒あたりの牛の頭数が増えて、牛舎の構造や、管理のやり方が変わり、牛に鼻輪をつけずに飼う牧場も増えてきているようです。時代と共に人と牛のつきあい方も少しずつ変わっていくという事でしょうか。



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