新幹線が北海道に乗り入れ、北海道の函館北斗から鹿児島中央駅まで、計算上では11時間あれば到着します。飛行機では札幌と沖縄県の那覇の直行便は3時間半ほどで結んでいます。南北に長い我が国と言っても短くなったものですが、猛烈なスピードで通り過ぎるところや飛び越していく土地土地には、気候風土と伝統に育まれた独特の美味しいものと食の文化があります。
先人たちは、その地ならではの材料で、独特の手を加えて少しでも美味しく食べようと苦労・工夫をしてきました。
 「食の地図」は、各地の風土が生んだふるさとの味や伝統食だけではなく比較的新しいと思われる味と若者たちにも受け入れられている味を、全国のアナウンサーたち48人が紹介しています。
自分たちが食べて美味しかったものや、これは外せないという伝統食ももちろんあり、現在における食文化カタログということができそうです。
出版元の帝国書院というと地図を思い浮かべますが、さすがに地図屋さんだけあって都道府県の地図ごとに記述され、さらにいろいろな種類のあるところでは地域の拡大図もあって、見ているだけでもご当地気分が味わえます。
これ一冊で、意外なところに意外な美味しいものがあることも発見でき、日本はまだまだ広いということを実感します。のんびりした旅に出たくなるかもしれません。
  定価:本体2000円。