築地市場は、豊洲への移転を控えて、またまたいろいろな問題が出てきているようですが、築地場外市場は現在地で存続するということで、この場外市場の一角に、「私たちが売りたいと思う鮭だけ」を売る、昭和食品・佐藤さんのお店があります。学生時代から、人の暮らし、原点に惹かれて海外でのルポ記事などを手掛けていたそうです。そのころ築地市場と出会い、ここが「食の原点」だと気が付いたといいます。そのうちの1軒が昭和食品という店で、何度か通ううちに、店をやってみないかということになり、29歳で跡継ぎとして、築地商人の心得を学んだそうです。店の特色は、とにかく自分たちが売りたいものを売るということ、そのため産地を知らなければと、何度も産地に出向き、納得いくものを仕入れることにしたといいます。また、書くこともやめられず、インターネットにホームページを開いて、鮭の美味しい食べ方だけでなく、場外市場にまつわる情報をアップしてきた。場外市場にはかつては鮭を扱う店は多くあったそうですが、だんだん減って、将来への不安を聞くと、「鮭が好きな人はまだまだいる、自分から見つけに行くことが大事」といいます。いまはネット販売も手掛けて、販路は全国区になった。商売の原点を地で行く返事が返ってきたといいます。

 詳しくは(独)日本政策金融公庫 農林水産事業本部の発行する「AFC Forum(フォーラム)」2016年9月号をご覧ください。