8月の農林水産省の広報誌「aff」では、「和牛」というテーマで特集が組まれています。
和牛生産関係者にとってはいまさら、と思われるかもしれませんが、この特集では、和牛の生産と和牛肉をめぐる現状が要領よくまとめられています。
 まず、和牛の知識として、和牛とは何か、から始まり、繁殖経営と肥育経営事例、牛肉格付けとトレーサビリティなどの制度の解説、さらに最近、焼き肉関係者でいわれるようになってきた牛肉の希少部位と呼ばれる部位の呼び方、内臓肉の呼称などについて触れています。
 繁殖経営の事例では、年間1000頭を出荷する鹿児島県「きもつき大地ファーム」の、ITを活用した繁殖管理とTMRセンターからの飼料給与で分娩間隔355日を確保している技術を紹介しています。肥育経営では宮崎県「福永牧場」の、全共2連覇、日本農業賞を獲得した親子3代にわたる愛情いっぱいの肥育技術を紹介しています。
 牛肉の部位の紹介では、消費者向けテレビのグルメ番組や雑誌類の特集の影響もあるのでしょうが、従来、あまり拘らなかったこまかい希少部位といわれる部位名なども紹介しています。食感や味の違いにより細かく部位分けされ、消費者もこだわりを持つようになりました。和牛肉が食文化として定着してきたことを感じさせます。最近、よく言われるようになってきた熟成肉もその一環でしょう。世界にも類を見ない独特の和牛肉がどう作られ、消費されているかを知り、和牛をとりまく全体像を把握できる最新の記事と言えるでしょう。

詳しくは農林水産省の広報誌「aff」8月号をご覧ください。