2018年11月19日 Vol 346

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

**************************************
              国際捕鯨委員会(IWC)第67回総会の結果について
**************************************
国際捕鯨委員会IWCは、「鯨類の適当な保存」と「捕鯨産業の秩序ある発展(すなわち持続的
利用)」の実現を目的として、捕鯨国により締結された国際捕鯨取締条約の執行機関として、
1948年に設立された国際機関です。
IWCでは、1982年に、鯨類資源に関する科学的不確実性を理由に、商業目的の捕獲頭数を
ゼロとする一方、科学的情報を収集し、遅くとも1990年までにゼロ以外の捕獲枠を設定する
ことが合意されました(いわゆる商業捕鯨モラトリアム)。
以降、我が国は、科学的情報の収集に努め、商業捕鯨の再開を30年以上にわたり目指して
きました。しかしながらIWCでは、長年捕鯨を支持する国と反捕鯨国とが対立し、条約の
目的である鯨類資源の「保存」のためにも「持続的利用」のためにも有効な決定ができない
機能不全の状態に陥ってしまいました。
今回の第67回総会は、9月10日から14日まで、ブラジルにおいて、85か国が参加して
開催されました。
議長は我が国の森下政府代表(東京海洋大学教授)が務め、谷合農林水産副大臣(当時)、
岡本外務大臣政務官(当時)、水産庁、外務省、浜田靖一議員、鶴保庸介議員、
江島潔議員、横山信一議員、徳永エリ議員、太地町、下関市などが出席しました。
今回の総会では、IWCの現状を踏まえ、我が国は、立場の異なる加盟国の共存を
図るため、IWC改革案を提出しましたが、反捕鯨国が、「商業捕鯨につながるいかなる提案も
認めない」などと強硬に反対し、投票で否決されました。
また、商業捕鯨モラトリアムの継続が重要とし、捕獲を伴う鯨類科学調査を不要とみなす
「フロリアノポリス宣言」が投票で可決され、商業捕鯨再開が否定されました。
これらの議論を通して、IWCにおいて異なる立場や考え方が共存する可能性が否定されたこと
が浮き彫りとなりました。
このため、谷合副大臣(当時)から「あらゆるオプションを検討せざるを得ない」旨発言し、閉幕し
ました。
政府として、国際法に従い、科学的根拠に基づく資源管理を徹底しつつ、商業捕鯨を再開する
ことを目指すという方針に変わりはなく、一日も早い商業捕鯨の再開のため、現在、あらゆる
可能性を追求しているところです。

 

                            水産庁国際課
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(株)農林放送事業団
H P: http://www.agriworld.or.jp
FAX:03−3585−5728         

日本漁船保険組合
H P: http://www.ghn.or.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━