2015年12月25日 Vol 286

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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     北太平洋漁業委員会(NPFC)第1回委員会会合の結果について

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去る9月3日、東京海洋大学品川キャンパスにおいて北太平洋漁業委員会(NPFC)

第1回委員会会合が開かれました。

北太平洋漁業委員会(NPFC)は、2015年7月19日に発効した「北太平洋における

公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約(北太平洋漁業資源保存条約)」に

基づき設立された地域漁業管理機関です。

条約の目的は、北太平洋の海洋生態系を保護しつつ、条約水域における漁業資源の

長期的な保存及び持続可能な利用を確保することで、その対象水域は、概ね北緯20度

以北の北太平洋の公海です。

対象となる資源は、サンマ、クサカリツボダイ、アカイカ等で、まぐろ類、

さけ・ますなどの他の条約の対象資源以外です。

 今回の会合には、正式なメンバーである日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、

台湾ほか、オブザーバーとして米国等が参加し、議長を香川水産庁次長が務めました。

ほかに、日本からは水産庁、外務省の担当者、国立研究開発法人

水産総合研究センター及び漁業関係団体の関係者が出席しました。

主な会合の結果は以下のとおりです。

(1)事務局長の任命及び事務局設置の承認

初代事務局長にムーン デ ヨン博士(韓国:WCPFC(*1)科学委員会前議長)が

任命されました。

また、事務局を我が国(東京海洋大学 品川キャンパス白鷹館)に設置することが

承認されました。

(2)公海サンマ漁船の許可隻数の急増抑制

我が国の提案により、

(ア)2017年に行われる資源評価に基づき、新たな保存管理措置がとられるまでの間、

漁船の許可隻数の急激な増加を抑制すること、

(イ)公海で操業する漁船にVMS(*2)を義務付けることが、保存管理措置として

採択されました。

(3)公海での中国漁船の隻数削減要求

サバ等を漁獲する中国漁船の急増及び違法漁船の存在が確認されていることから、

中国側に対し漁船の隻数削減などの管理強化を要求しました。

(4)漁船登録制度

毎年、許可漁船の登録を事務局に行う制度を採択しました

次回委員会会合は2016(平成28)年8月に日本(東京)にて開催される予定です。

*1 WCPFC:Western and Central Pacific Fisheries Commission
(中西部太平洋まぐろ類委員会)
*2 VMS:Vessel Monitoring System:船舶衛星位置監視システム

                           水産庁国際課
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